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調布市民のブログです。

『新宿インシデント』 最近観た映画 09/06/01

『新宿インシデント』

ネタバレあり




『新宿インシデント』 ~ジャッキーが下水道に死ぬ日~


一体何なんでしょうか、この映画は!

明るく楽しいジャッキー映画。
本人も常にそれを意識していらっしゃるので、軽快なアクションはやっても陰惨な暴力を避け、
いつでも勧善懲悪のハッピーエンド、細かいところでは絶対タバコを吸わないなど、
毎回様々な配慮を施しているそうです。

しかし『新宿インシデント』ではカンフーは無いわ、強烈な残虐シーンはあるわ、
主人公ジャッキーも言い逃れの出来ない悪人だわ、そもそも監督がジャッキーで無いわ…


主人公ジャッキーは中国の善良な農家だった。
しかし日本に働きに行ったまま行方の分からなくなった恋人を追って日本へ不法入国した。


この時点でチョットねえ・・・。まァ、マフィア映画だしね。

不法入国船は日本海岸に座礁したが、ジャッキーはなんとか東京、歌舞伎町へと辿り着く。
従姉妹のダニエル・ウーを頼っての行動だ。


ダニエル・ウーってあのイケメンですよ。
『香港国際警察 NEW POLICE STORY』で憎ッたらしい敵役を演じていた彼です。
このダニエル演じる役がしょうもないバカで、ドンドン悲惨な目に遭っていきます。

不法入国こそしたものの、まともな仕事に就きたいジャッキーだったが、
名前を偽りヤクザ・加藤雅也の嫁になっている恋人を見つけてしまった。
白人ビッチを買い、「東京で一暴れするぞ!」と一念発起。
違法テレカ、改造クレジットカード、パチンコでイカサマ、盗み、と犯罪者一直線。


…ヒドイ…
「ここまで来たら戻れない。生きていくしかない。」なんて言ってますが
帰ってくれよ!またはマトモな仕事しろよ!と思うのが常識でしょう。
この辺りから犯罪者同士の抗争となり、警察以外の誰にも感情移入できなくなります。

ちなみに白人ビッチとジャッキーとのSEXシーンがあります。
えっ!ジャッキーのおセックス様は初めて見たかも!裸はよく見るけど!

肝っ玉が小さいので闇稼業は向いていないと判断されたダニエル。
マフィア仲間からは外す代わりに夢だった天津甘栗の屋台をジャッキーからプレゼントされる。
「テンシンアマグリ~!ヤスイヨヤスイヨ~!」などとハシャいでいたのも束の間、
バカなので華僑ヤクザの娘に色目を使い、ボコボコにされる。


バカだね~かつ哀れだね~。

華僑ヤクザへの復讐は警察騒ぎにまでなるが、
かつて命を救った刑事・竹中直人に見逃してもらったジャッキー。


バカかつお人よしのダニエルは、今度は仲間のパチンコイカサマに巻き込まれる。
台南派マフィアに顔をトキコさんの様に真一文字に切られた上、右手首を切り落とされる始末。


ワオ!こんな残虐シーンがかつてジャッキー映画にあっただろうか!
『レッド・ブロンクス』の人間ミンチ以来の衝撃だ!やった!

復讐を試みるジャッキーだったが、成り行きからヤクザ・加藤雅也の命を救う。
「おめえイイ根性してんな!どや、俺のとこで働いてみんか?仲間も守ったるワ!」
加藤雅也は同じ組の峰岸徹(故人)や倉田保昭が目の上のタンコブだったのだ。


うおおおお!!倉田保昭ですよ!!
デビッドクラタ!ショージカラダサン!!さすがに老けてるけどカッコイイイイ!!!
Gメン75!直撃地獄拳!フィストオブレジェンド!!!

仲間達の平和と財産を守る為、ジャッキーはヒットマンとなった!
瞬殺される峰岸徹と倉田保昭。


く、倉田さーーーん!!!
前後のシーンが描かれている峰岸徹はともかく、圧縮モンタージュで簡単に死んでしまいました倉田さん。

一連の抗争が収まった後、気がつけばジャッキーは日本最大の外国人犯罪集団のドンとなっていた。
加藤雅也を経由して正式な身分も得たジャッキーは、まともな会社を立ち上げ、
数年をかけて日の当たる道へ戻ろうとしていた。

しかし人間の欲望は際限を知らないもの。
かつて貧乏不法入国者だった仲間達はマフィアとなり、クスリにまで手を出していた。
特にダニエルは完全にブッ壊れ、ビジュアル系なんだかヘビメタなんだかFF7のコスプレなんだか
分かんない様な格好になった上、ジャンキーになっていた。


これで失った右手がフックにでもなってたら完璧なんだけどね~。

「クスリまで手を出したらもう見逃せないぞ!」
竹中とかつての仲間たちを問い詰めるジャッキー。

「まぁまぁいいじゃんかヨ~お前も犯罪者じゃん!」
「1人で早々とカタギになるとかキタネエし!」

反省ゼロの不法入国者!

「こ こいつら・・・」
「あ?通報すんのかよ?あ?俺は何も怖くねんだぞ!」

突然ブチ切れて仲間Aのノドを切り裂く仲間B!


ここでブチ切れた仲間Bがそれまでチンピラとはいえ話の分かる大人しめのヤツだったので随分驚きました。
この人、香港の役者だろうけど椎名桔平に似てるなあと思ったらチン・カーロ 錢嘉樂でした。
役者のほかアクション監督もやっており、本作でもその二つを兼任しています。

僕にとってチン・カーロといえば『ワン・チャイ4』のルイ役ですね。
強烈な敵コンビのうち、長髪のサーベル使いを演じていました。
長髪が全く似合わないくせにカッコつけまくった動きがとても素晴らしかったですね。



↑最初にチラッと出ている青い軍服?の人ですね。
この動画だとどうしても馬を殴る人が気になるでしょうが、今は無視してください。

仲間割れをするジャッキー一派を、かつて殺された倉田の息子(役)たちが襲撃する!
投石、青龍刀、竹槍などを駆使した血みどろの戦い!
命からがら逃げ出したジャッキーは懐かしい場所に辿り着く。

貧乏でも仲良くやっていた数年前、皆でギョウザを食べ旧正月を祝った小さな家。
今はもう誰も住んでいない荒れ果てた歌舞伎町の下宿。

そこに同じくダニエルも辿り着いていた。
最後の最後までクスリにすがっていたダニエル。
彼の手を除けると、腹から内臓がドュルンッ…


この強烈なシーンがあまりにヤバかったらしく、中国本土では公開停止の憂き目にあったそうです。
「Web-Tab」のニュース

演じるダニエル自身も随分イヤだったそうで、しばらくモツ料理が食えなかったとか。

とはいえスプラッター映画じゃないし、一瞬映る程度でしたよ。
個人的には大喜びであったと言っておきたい!ダニエル・ウーの内臓なんて二度と見られんぞ!

仲間達は皆死んだ。加藤雅也も死んだ。
自らも銃弾を喰らったジャッキーは、最後に犯罪の証拠を竹中直人に託し、
下水道に倒れ、流されていく…


ジャッキーが死んで終わるジャッキー映画。
強烈な残虐シーンと犯罪描写に満ち、これまでの不文律を無視しまくった前代未聞の作品です。
一体何がここまでの方向転換をジャッキーにさせたのでしょうね。


これまで描いて来た方向転換がまだ映画の作品の性質上のものとしても、
何より公開一週間でほとんどの映画館が上映を打ち切ってしまったという事が
この『新宿インシデント』最大の謎です!
『デビルマン』や『ドラゴンボールエヴォリューション』並の、いやそれ以下の短さです。

一体何がいけなかったのでしょうか。
「暗くて客が入らなさそうだから」「早くトランスフォーマーを上映したいから」
などというレベルの理由では納得しきれません。

まず、差別的な表現がヤバかったのかな?と思いました。
「シナの豚どもをブッ殺せ!」等というかなり酷いセリフもありましたが、
”差別的な悪人”のセリフでありました。
また、登場する中国人が100%不法入国者やマフィアなどで、
「中国人=犯罪者」ともとられかねませんが、
そもそもマフィア映画なんだし、日本人だって警察以外はほぼヤクザでした。
ちょっと理由としては弱いかも。

あと、パチンコ店でイカサマをするシーンがありましたが、
そこがひょっとして一番ヤバかったのか?
イカサマ自体はともかく、出玉→景品→換金という流れが
ストレートに映像にされており、これはタブーといえばタブーだよな。

ジャッキー主演ながら強烈なキナ臭さに包まれた映画でした。
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  1. 2009/06/01(月) 03:32:43|
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