非常に多くの無理難題を抱えて製作されたと思われる映画です。
まず原作があの諸星大二郎。
映像化された回数は多くありませんが、コアなファンが多く、
多くの観客の目は厳しいと言えるでしょう。
「段先生の奥さん役は誰か?」で1時間盛り上がる事の出来る人たちです。
そして原作が短い。
相当無理をしてキャラやプロットを増やしてようやく1時間半です。
更に大規模な特撮を要求されます。
CGの技術とおそらくはコストダウンによって、ようやく実現が出来たのでしょう。
僕は「原作ファン」という見方が嫌いです。
なにか"新作"が出るたびに「こんなの俺の知ってる○○じゃね~!謝れ!」。
ゲンナリです。
漫画文庫やDVDがこれほど出回っている世の中です。
昔のだけ見てろよ、と。
同じ作者の同じ媒体であるならまだしも、映画と漫画は映画と漫画ほども違うのです。
違う人が作ってるんだから、違って当たり前。
違うからこそ別の味があるのです。
『漂流教室』とか『キューティーハニー』とか『デビルマン』とか。
デビ……まぁ、この話はやめましょう。
とにかく、諸星ファンとしてのバイアスを一度捨てて、
この映画を観たかったわけです。
が、
全くのまっさらな気分で見るのも結局無理でした。
諸星ファンとしては
「余計なものが付け足されてはいるがそれなりに諸星っぽい気もする」
という感触です。
あせらずにジックリ進む物語や、突然変異的なグロ描写、
1972年という時代設定でガンバリ通すところなど、
好感の持てる部分が数々ありました。
あと柳ユーレイとか白木みのるとか善ずの声が三ツ矢雄二とか
キャスティングで笑わされました。ちすんって何よ。
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- 2007/02/08(木) 00:23:41|
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